2017年4月25日

続 特例有限会社の取締役について

そういえば、特例有限会社では、代表取締役がいない会社があります。

株式会社の場合、法律で代表取締役は必ず置かなければなりませんので、取締役が一人ならばその人が代表取締役と登記されます。

ですが、有限会社の場合、代表取締役は必ず置かなければならない機関ではありません。というより、取締役が複数名いる場合に、定款の規定や株主総会によって代表取締役を選ぶことができます。

ですから、代表取締役Aと取締役Bがいる小笠原商事有限会社で、取締役Bが辞任してしまったら、小笠原商事有限会社の取締役はA一人となりますから、「取締役が一人となったため氏名抹消」と理由で、代表取締役Aの登記は抹消することになります。Aは取締役Aとしてだけ登記が残ります。

この登記自体はさほど難しくは無いんですが、今まで代表取締役Aとして使っていた名刺や会社のゴム印、銀行の口座名義などを全て取締役Aとして作り直したり変更しなければならないですから、意外に費用と手間がかかるなんて話を、お客様から聞くことがあります。

有限会社は株式会社と似た手続きが多いのですが、ちょくちょく違うところもあるので、まずは、頭を整理してから、仕事をしています。

 

 

 

 

 

 

2017年4月19日

特例有限会社の取締役について

今日は特例有限会社の取締役について少しだけお話ししたいと思います。

任期がありません。

わざわざ見出しをつけてまで、言うほどのことではありませんが、特例有限会社の取締役や監査役は、役員の任期がありません。

任期がない、と言いますと、本人が辞任するか株主総会で解任するか、もしくは欠格事由(また、後日、テーマにしたいと思います。)に該当するまで、ずーっと取締役のままですから、役員任期のある株式会社と違って、任期満了のたびに、取締役改選の手続きをして登記をして、という手間はかかりません。(当然、登記費用も浮きます)

しかし、この「定期的に(任期満了のたびに)登記をしなくて良い」ということが、落とし穴になる場合もあります。

例えば、小笠原商事有限会社という会社があるとします。この会社の取締役兼一人株主である私は、従業員のAさんが、一生懸命働いてくれるので、Aさんを取締役として選任し、Aさんは取締役として登記されました。しかし、しばらくしてAさんは家庭の事情で退職しました。本来、ここで、Aさんから取締役の辞任届を貰う必要があったのですが、それを忘れてしまいました。

もし、このような状況で、役員の任期のある株式会社ならば、任期満了の改選のタイミングで、Aさんが会社の取締役として残っていることに気づき、改選の際に、Aさんを選任しなければOKです。Aさんは取締役として再選されなかったのですから、取締役の任期満了をもって退任、ということになります。

しかし、役員の任期のない特例有限会社では、もうとっくに退職して会社にいない人が、そのまま取締役として登記簿に残っている状況が、あります。(かなり多いです!!)

まず、役員の任期がない、ということは、そもそも会社の登記をする機会が少ないので、登記簿を確認する機会も少なく、気づかないという場合も多いでしょう。

この状態が10年、20年と続くと、とっくに退職したAさんの居所も分からなくなり連絡が取れなくなりますから、辞任届はまずもらえません。そして、任期がありませんので、当然、任期満了退任というわけにもいきません。株主総会でAさんの解任決議をするしかなくなります。

当たり前のことですが、この場合、小笠原商事有限会社の登記事項証明書には

「平成○年○月○日 解任」

と、解任で取締役を辞めたことがバッチリ出てきます。

「解任」については、ご依頼者様によって持たれる印象は様々です。解任でも気にしない、とおっしゃる方もいれば、会社内のお家騒動や横領、背任などのイメージをもたれるんじゃないか、と心配される方もいらっしゃいます。

そうならないうちに、まずは会社の登記事項をときどき、確認してみることをお勧めします。

もし、上記のようなことがありましたら、ぜひ、当事務所にご相談くださいませ。

 

 

 

 

 

 

2017年4月12日

登録免許税の話

こんにちは。 今日は、登録免許税のお話を少ししたいと思います。

登録免許税というのは、登録や登記をする際に国に払う税金のことです。

早い話が、登記の際にかかる必要経費のことですね。

この登録免許税は、定額課税と税率が定められている場合があります。

目的を変更する場合は3万円

例えば、 定額税率の例は、会社の目的を変更する登記をする場合、どの会社でも3万円の登録免許税がかかります。

目的を増やしても、逆に減らしても、目的を変更する場合は一律3万円です。

税率が定められているものの例は、不動産の相続登記をする場合、相続登記は不動産の評価額の1000分の4です。

1000万円の土地について相続登記をする場合は4万円の登録免許税がかかります。

さて、後者の税率ですが、定額税率に比べて、変わることがたびたびあります。

土地の登記

代表例が、土地の売買の登記です。

土地の売買の登記は、本来、不動産の評価額の1000分の20の税率ですが、租税特別措置法という特例の法律によって、平成31年3月31日まで、1000分の15に軽減されています。

ただし、もともと平成27年3月31日までの期限だったのが、平成29年3月31日までとなり、その後、平成31年3月31日までと、何度も延長されているので、予定通り平成31年4月1日から税率が1000分の20に変わる、とは現時点でははっきりとは言えません。

1000分の15から1000分の20に変わると、1億円の土地ならば、登録免許税が150万から200万に上がるわけで、私達司法書士は、3月になると、租税特別措置法が延長されるのかどうか、非常に神経を尖らせます。

何故って、見積書の金額が、いきなり登録免許税50万円高くなったら、みなさん、びっくりされるでしょう?

長々とお話ししてしまいましたが、今日はこのあたりで、終わりにします。


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