12月13日

利益相反取引 ①

しばらく時間のある時に利益相反取引について、書きたいと思います。

利益相反取引と言うのは、wikiによると「ある行為により一方の利益となるのと同時に他方の不利益となる取引」と言うことです。

分かりずらいと思いますので、代表的な具体例を何回かに分けて書いていきたいと思います。

① 取締役個人名義の不動産を会社に売却する。あるいはその逆で会社名義の不動産を取締役個人に売却する。

取締役個人の利益になる一方で会社が不利益を被る可能性があるパターンです。

例えば、取締役が所有する適正価格5000万円の不動産を会社に1億円で売ったり、逆に会社が所有する1億円の不動産を5000万円で取締役個人に売却したりすれば、取締役個人の利益になる一方で会社は損をします。

これが取締役と会社間の売買ではなく、第三者の個人間であれば「この不動産でこの価格は高すぎるから買わない」「この不動産は金1億円以上じゃなくちゃ売らない」などという意思表示ができるのですが、会社が買ったり、売ったりということは取締役の意思でできることでもあるので、利益相反取引の典型と言えるでしょう。

では、取締役と会社間の不動産の売買はできないのでしょうか?

答えは「できます」。でも、一定の条件が必要です。

会社が利益相反取引について承認をすれば取締役と会社間の売買はできます。

この承認ですが、取締役会を置いている会社は取締役会で承認決議をします。この場合、利益相反取引の当事者である取締役は、利益相反取引の承認決議で、議決権を行使することはできません。他の取締役たちの判断にゆだねることになります。

一方、取締役会を置いていない会社は株主総会で利益相反の承認決議をします。株主総会の場合、利益相反取引の当事者である取締役が株主であっても、議決権を行使することができます。株主総会の議決権は、株主として行使するのであって、取締役という立場ではないからです。

説明してても難しいな、と思います。ややこしいですね。

 

 


月別アーカイブ